円形無気肺のMRI診断



<症例提示:58歳、男性>
主訴:胸部X線写真異常陰影
現病歴:これまで元気に生活をしていたんが、本年4月の定期健康
診断で、胸部異常陰影を指摘され、精査目的で受診した。
入院時現症:血圧142/76、脈拍80/分、体温36.6C、
胸部聴診では、右下肺野で呼吸音がやや弱く、打診でも濁音あり。
白血球6000、 CRP0.5mg/dl,赤沈45mm/1hr, 81mm/2hr,
PPDsスキンテスト10mm

high resolution CT

放射線科医コメント:右側に被包化
された胸水が認められ、その前方に
片縁鮮明なmass lesionがみられる。
このmassに血管と気管支が巻き込ま
れており、comet-tail signと考え、
CT上はrounded atelectasisと診断
します。



胸部MRI


コメント:
この患者さんは、定期健康診断の際に胸部X線写真異常を
指摘されて受診した。X線正面写真では、右下肺野に陰影を
認めるが、この陰影は、CTでは被胞化胸水とrounded
atelectasisと診断された。肺野には活動性の病変は検出
できず、初感染巣からの結核性胸膜炎と考えられた。
胸腔穿刺を行なっが、被胞化胸膜炎でフィブリンが析出して
おり、胸水の採取および検査ができなかった。結核性胸膜炎
として、RFPおよびINHの治療を開始した。

round atelectasis(円形無気肺)は、1971年Hanke
により命名され、本邦では、1981年古川ら、が「腫瘤影を
呈したatelectasis」として最初に報告している。
臨放1981;26:1063-1066.
高齢の男性に多く、発生部位は下葉背側が80%を占めている。
X線写真上の特徴は、限局性に肥厚した胸膜に接して2-5cm
の類円形の腫瘤状陰影が認められ、それを取り囲むように
気管支や血管が収束するいわゆるcomet tail signがみられる
ことである。

胸部MRIの所見は、興味ぶかい。
T1強調像では、腫瘤は筋肉と椎体の中間のintesityを示して
おり、ガドリニウムによる造影では、均一にenhanceされて
いる。内部に、気管支と考えられる構造が存在することから
round atelectasisでよいと診断された。被膜はガドリニ
ウムで強くenhanceされており活動性の胸膜炎と診断された。
胸膜炎の活動性の有無の診断にもMRIが有用であると
考えられる。

参考文献;
MRIの所見を得たRounded Atelectasisの1例。
野村将春ら;日胸疾会誌32(3);239-243、1994

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info@chijimatsu.com

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